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NEWS:エレン・スチュワートの素顔 第19回高松殿下記念世界文化賞受賞!
産經新聞 2007年 09/21 10:35
●先駆的な才能を発見する「ママ」
開演前の舞台に登場して鈴を鳴らし、その日の演目を解説する。半世紀近い歴史を持つニューヨーク市イーストヴィレッジの「ラ・ママ実験劇場」の変わらない風景だ。
商業演劇とは一線を画した先駆的な才能を紹介し続けてきた。場を提供するだけでなく、寝食をともにし活動を見守る。
「私が強い印象を受けるのは舞台より、あなたたちと一緒にいられること」。世界の演劇人に「ママ」と慕われるゆえんだ。
1950年、シカゴからデザイナーを目指してニューヨークにやってきた。5番街にある名門デパート「サックス・フィフス・アベニュー」で黒人女性初のエグゼクティブ・デザイナーに上り詰めるが、体調を崩して退職。小さなカフェ「ラ・ママ」をダウンタウンに開いた。
同じころ、義兄が脚本を書き始めるが、当時は黒人が作る舞台を上演する場はなく、「ラ・ママ」がその役割を果たすようになる。間もなく貯金をはたいて自前のスペースを確保した。
既存の発想に縛られない劇場は、たちまちニューヨークの前衛活動の拠点となる。俳優のロバート・デ・ニーロ、リチャード・ドレイファス、作家のサム・シェパードらがここから世に出て行き、日本からは東由多加率いる東京キッド・ブラザース、天井桟敷の寺山修司が公演を行い、世界にその存在を知らしめた。
世界中から集まる芸術家をどう選択するのかと尋ねると、「ジャッジという意味なら何もありません。脚本もほとんど読みません。それより人に会い、その人に対し何を感じるかを重視します」と「演劇はあくまで人」との哲学を強調する。
オリジナル作品でも高い評価を得ている。ギリシャとトロイアの戦いを題材に女性の悲劇を描いた「トロイアの女たち」(1974年初演)は古代ギリシャ語という難解な言葉で演じられたにもかかわらず各国で称賛された。「言語を超えた言語でコミュニケートする」(スチュワートさん)ラ・ママ演劇の本質が具現されていたからだ。
「最大の挑戦は明日の朝、目を覚ますこと」とおどけながら世界を飛び回る。母はいつの時代も偉大なのだ。
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【プロフィル】エレン・スチュワート
Ellen Stewart 1919年11月7日、アメリカ・シカゴ生まれ、87歳
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